絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ
絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ
文庫 絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ: 文豪の名言対決 (草思社文庫)
- 作者: フランツカフカ,ヨハン・ヴォルフガング・フォンゲーテ,頭木弘樹
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2018/06/05
- メディア: 文庫
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まずはじめに
とてもおもしろかった!!!!!!!!!!!
違う時代を生きた2人の偉大な文豪であるカフカとゲーテの名言を対話のように並べた本。
カフカは絶望の人である。
人生一貫して絶望。何をしても、見るもの、感じるものがすべて絶望している。
そんな世界観を私は見たことがない。
多くの人が嫌なことやうまくいかないときに落ち込んで、絶望することはあるだろう。
そんなときにこう思ったことはないだろうか、
「自分はもうだめだ。何をやってもうまくいかない」って。
カフカは人生が常にこの状態である。
仕事や恋人もうまくいっていて、親もいい人間(多分)なのに関わらず、この状態が常に続いている。
一方ゲーテは希望の人であり、誰もが好きになるような性格だった。
恋や勉強、仕事、人付き合いなど全てに長けており、
自分の苦手とするような性格を持つ人すらも受け入れている。
そんな2人の名言を解説付きで読める良い本だった。
宇宙の「果て」になにがあるのか
「 一体宇宙の果てには何があるのだろうか?」
宇宙の「果て」になにがあるのか 最新天文学が描く、時間と空間の終わり (ブルーバックス)
- 作者: 戸谷友則
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/07/18
- メディア: 新書
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自然科学に対する知的好奇心が旺盛な人は、宇宙にたいして魅力を非常に感じるだろう。
その宇宙の果ては一体どうなっているのだろうか?というのが本書の内容である。
宇宙の果てと言ったときに、ただ単に「果て」と言っても
・時間的な果て
・空間的な果て
・未来の極限に関する果て
・過去への果て
・人間が観測できる果て
・実在する宇宙の果て
など様々であるが、本書でいう果ては
実在する宇宙の未来と過去の時空的な果てを考えるといったことである。
今の科学でわかっている果てを記述しつつ、将来の展望を書いてある。
だがしかし、本書に書いてある内容はほとんどが、これまで沢山ブルーバックスから出されてきた宇宙論の本と書いてある内容は全く変わらない。
まずは相対性理論の話をして、重力の特異的な性質を述べる。
そしてビッグバンやインフレーションの話。
最後は暗黒エネルギーや暗黒物質の話をして終わり。
あんまり新しいことは書いてなかったかな。
絶望名人カフカの人生論
「絶望名人カフカの人生論」
19-20世紀にプラハに存在していたフランツ・カフカの人生論を簡単に紹介した本。
1時間ぐらいでぱぱっと読める割に意外と面白い。
人生の様々なイベントに対する絶望の名言が書かれており、カフカは自分の人生に対して圧倒的に絶望している。悲観的なのである。
しかしこの考え方は我々日本人にとって重要のように感じる。
自分なんて、自分の人生なんてなんてことはない、何者でもない、代わりはいくらでもいるんだっていう考え方は重要だ。
重要なだけでなく、私を含めた大抵の人間が事実そうである。
私達のような人間がいなくなっても、世の中は廻り続け、自分の代わりは無限に存在する。
何もここまで悲観的になる必要はないけれども、こういう考え方も少しは持つべきではないだろうか。
こういう考え方を持っていれば、仕事などで
「この仕事は私はやらなきゃいけない。だから残業しないと~~」みたいなことが減っていくんじゃないかな。
それが回り回って日本の経済の発展につながるかもしれない。
話を戻そう。
カフカは自分の人生に圧倒的に絶望しており、弱者のように感じられるかもしれない。
しかし私はカフカが本当に強い心を持っていたのだと思った。
普通自分の人生に絶望なんかしていないで、何も考えずに周りに流されていたほうが楽である。
しかしカフカには、自分の絶望を圧倒的に貫く強さがあった。
そういう強さに人は魅力を感じてるのではないかな。
カードカウンティング入門
カードカウンティング入門
日本人でカジノでブラックジャックをプレイしたことがある人はどれくらいいるだろうか。
カジノは本当に楽しい。私は大好きである、例えプレイヤーの期待値が確実にマイナスだったとしていても。
しかしブラックジャックは違っている。まず確率に基づく適切なプレイを行えば、カジノ側とトントンの勝負に持っていくことが出来る。
さらにそこから、カードカウンティングというテクニックを使えば、なんと期待値がプラスになるのだ!
これは驚くべきことである。
テレビや映画などでカウンティングのことを聞いたことある人は結構いるかも知れない。
そんな人たちのイメージは、「カウンティングって余程頭が良くないとできないんじゃないか」って感じだろう。
しかしこの本で紹介されているK-O(Knock Out)システムは、割と簡単で覚えやすい。
いずれ開設されるであろう日本のカジノに向けて、私は現在練習中である。
ちなみにこれは自分でPDFにまとめたので、欲しい人がいたら言ってくれ。
離散数学「ものを分ける理論」
離散数学「ものを分ける理論」
離散数学「ものを分ける理論」 問題解決のアルゴリズムをつくる (ブルーバックス)
- 作者: 徳田雄洋
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/05/16
- メディア: 新書
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東工大の図書館で借りた。内容はあんまり理解できなかったかもしれない、、、
ものを分けるにはどうしたら良いだろうか?
簡単である、長さや重さで等しく分けたら良いじゃない。
と読む前の私は思っていた。
長さや重さなどの客観的な尺度ではなく、それぞれが持つ主観的な尺度で平等に分けるにはどうしたら良いだろうか、というのが本書の問題である。
例えばホールケーキを2人で分けるとき、長さは精確に測れないし重さも多分測れないだろう。
これを2人ともが平等に思うように分けるのは結構難しいし、考えたこともなかった。
そのような問題に対して、どのように分ければ良いのかというのが書いてある。
「離散数学」と書いてあるが、普通数学において連続や離散という場合、分ける対象物が離散なのか連続なのかで考える事が多い。
そういったところから、ケーキなどは連続のように思えるが、おそらく本書は1人や2人などの離散人数で分けることから「離散数学」と書いているのだろうか。
本書には
・イヨカンやケーキなどの連続体を複数人で分ける。
・家賃の分け方
・複数の異なる果物の分け方
・嫌いなものをどう分けるか
などの解放(アルゴリズム)が書いてある。
私は最適化やアルゴリズムの研究室に所属しているので、こういったものもあるのかと関心しながら読んでいた。
また数学の考え方は、こういった現実の問題にも使えるんだよといった事が学べる良い本だと思う。
科学者はなぜ神を信じるのか
科学者はなぜ神を信じるのか?
科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで (ブルーバックス)
- 作者: 三田一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/06/20
- メディア: 新書
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今日買って病院の合間に読んだ。
「科学者はなぜ神を信じるのか?」
これは大変面白い議題である。地の集大成とも言える科学者は、一体何を根拠に神を信じているのだろうか?
私もたまにこういうことを考えたりする。こういうことを考えた人は結構いるんじゃないかな。
この本を見つけて、これで科学者が神を信じる根拠がわかるぞと思って本を買ったがそういうことはあんまり書いてはいなかった。
本書の流れは、自然科学、特に物理学の発展と共に科学者はどう神の役割を考えていたのか、といった感じである。神の根拠とかそういうのは無く、科学と神の信仰は矛盾しないというのが本書の一貫した主張(多分)。
神や宗教うんぬんはおいといても、物理学の発展の歴史が明快でわかりやすい。それだけでもとても面白い。
物理法則を見ると素晴らしく美しい。なぜこんなにも綺麗なのか、それを神に原因を求めようとするのはわかる気がする。
しかしそこで思考を停止せず、さらに奥に踏み込む姿勢が重要なのではないだろうか。と私は思う。 こう思ってる人たちは物理学者にも多かったみたい。
かつて地球は球ではなく、平らだと考えられていた。
その平らな地球を神様みたいな感じの方々が支えてたって考えられてた。
しかし自然科学が発展するに連れて、地球が丸いことや、太陽の周りを地球が回っていることなど様々なことが発見されてきた。
そこからどんどん聖書に書いてある神の記述と、実際の世界とが矛盾し始めた。
この矛盾が気づき始めた頃は、宗教による科学の弾圧が続いた。しかし時代が進むに連れて、自然科学を信じるものが多くなり、それに伴って聖書の解釈も神の役割も変えていくようになった。
こんな感じ。
結構面白いから読んでみてほしい。
日本人みたりに、いるかいないかよーわからんが、正月とか重要なときにお参りするように、若干の畏敬の念を持ちつつ大切にするこの曖昧なスタンスがもしかしたら一番良いのかもしれない。
私自身神は信じていない。というよりも、なかなか信じられない。
神を信じられたら、辛い時や同しようもないときとても楽なんだろうな、と思うがなかなか信じられない。
信じるものは救われる、本当にそのとおりだ。
Freakonomics:ヤバイ経済学
Freakonomics:ヤバイ経済学 レビュー
- 作者: スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー,望月衛
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/04/27
- メディア: 単行本
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大学院の授業で借りた「ヤバイ経済学」を読んだのでその感想を書こうと思う。
この本は一貫して、我々の身近な問題、その中でも特に犯罪や不正、を経済学的な観点から解き明かそうとしている。
ここで使われている経済学的な観点とはインセンティブのことである。
とても面白い本であり、著者であるスティーヴン・D・レヴィットの着眼点や発想の自由さに驚いた。
この本の中でも特に私が面白いと感じたのは、犯罪の減少についての章である。
様々な専門家が犯罪の減少の原因は、好景気や警察による取締の強化であると述べる中、著者は全く違う見解を示している。
それは、中絶の合法化である。
すなわち中絶が合法化されることによって犯罪者予備軍が減った、ということだ。
この本を読めば、これが理にかなっていることが理解できるだろう。
この本には、人種差別や相撲の八百長などの世間で言うところのタブーな問題について、データを元に精確な分析をしている。
確かにこういったタブーの問題に触れるのは勇気がいるが、これからの時代はこういう問題に踏み入っていかなければいけないような気がする。